栽培植物の収穫量の増加や品質の向上に関する研究を通して、農業生産に貢献する応用科学が「生産農学」です。作物をはじめ草花・樹木の生産が研究対象となります。農学と聞いて一般にイメージする学問がこれにあたり、農学の根幹をなすものといえます。
農学で唯一の文系ジャンルが「農業経済学」です。世界と日本の農業、食料、農村、資源、環境などにかかわる諸問題を対象とします。経済学を中心とする人文・社会科学の方法で分析し、現実社会の実態を解明すると共に、問題解決のための方法と手段を導きます。
動物に関する医学が「獣医学」で、家畜やペット、一部の野生動物に関する基礎科学の上に、病気の予防・診断・治療に役立つ研究を行います。牛・豚・鶏などの家畜・家禽を扱う産業についての学問が「畜産学」で、乳・肉・卵などの量的・質的な向上も図ります。
河川・湖沼から浅海・深海まで、ほぼすべての水圏に起こる事象や生息する生物を対象とします。基礎学問としての生物学、化学、物理学、経済学から応用学問としての漁業学、水産資源学、増養殖学まで、きわめて幅広い分野からなる総合科学が「水産学」です。
森林についてあらゆる方面から科学的に研究する学問が「森林科学」です。樹木や森林を生息地とする生き物を含めた生態系、森林が私たちの生活に果たす役割、森林を保護する方法等が研究対象です。国土の7割を山と森に覆われた日本では、絶対に欠かせません。
生物資源を自然環境と調和しながら高度に持続的に生産・利用する課題を、工学的手法によって解決する学問が「農学工学」です。第一の使命は土地改良、すなわち農用地の改良・開発・保全・灌漑排水施設の設計・施工、機械走行に適した農地の設計・施工です。
植物・動物・昆虫や微生物まで、あらゆる生命現象を化学的手法によって解明し、私たちの生活や社会に役立てる学問が「農芸化学」です。最近では、分子生物学や生命工学の手法も取り入れ、最先端の研究技術の発信にも貢献しています。
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